2018年7月14日土曜日

ハザードマップ考

地図というものはただそこにあるだけでは役に立たない。自分の現在位置、あるいは居住地、あるいは行動範囲を地図上に描けて初めて役立つ。

しかしすべての人が地図をうまく活用できるわけではない。自治体全体を描いたような小縮尺の地図では自宅位置がわからない人はたくさんいるだろう。

また、自宅から少し離れてしまうと地図上のどこにいるのか、どちらを向いているのか、
わからなくなることは誰にでもあるのではないだろうか。

そういう観点から言うと、ハザードマップは作って配るだけではいまひとつ役に立たない。

せめて都市部では住宅地図程度の大縮尺でハザードマップを作成し、さらに地域の人や工事業者からの危険箇所情報を盛り込めるようにし、各自が徒歩行動範囲のリスクを明確にイメージすることができるようになったほうが良い。

そしてそれは自治会掲示板など屋外にも必ず掲示されるようにすべきだ。

また、ハザードマップ作成により得られた情報をもとに、各家庭の災害リスク・避難場所・避難経路案を短文と図で示したような個票を毎年送るくらいは、技術的に可能だと思う。

私を含め地理が好きな人間は地図に固執しがちだが、もう一歩思考を進めて、地図が読めない・活用できない人のためにどう情報を伝えるのかを考えたほうが良い。

よく「地域の繋がりでなんとかしよう」と言うが、技術的に可能なことは先んじてやっておくべきである。特に住民の入れ替わりが多い地域やお年寄りの多い地域、居住者以外の滞在者(通勤・通学・観光)がたくさんいる地域では、地元のつながりだけから何かをやるのはそもそも困難である。大きな課題は各自が情報に随時アクセスできるにはどうしたら良いかであり、その方法のひとつが地域の声であるにすぎない。


とはいえこうしたことを阻むのは技術の壁ではなく、「情報公開への拒否反応」と「予算」と「役場の部署の壁」だろうとは思う。役場の内部ではいろいろと地図資料を作っているのに、統合型GISが全然発達しないのもそのあたりだろう。

こういうのをcode for なんとかみたいな方々の力とか、あるいは私のような底辺GIS技術者なとでなんとかできないものかと、災害のたびに思う。

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